ナルニア国ものがたり: ライオンと魔女【The Chronicles of Narnia: The Lion, the Witch and the Wardrobe】

「ナルニア国物語」のススメ C.S.ルイス物語 [DVD]

ナルニア国物語』−ライオンと魔女を見てきました。
これのタイトルって、実はちゃんと洋服ダンスまで入っているんですな。


あ、多分、ネタばれしちゃってます。


さて、この映画、映画の最初から最後まで私に気を持たせておきながら
結局、何事もなく終わっちゃったのが、4人兄弟が疎開した先のおうちの教授。
あんなにお手伝いさんが厳しい表情で「教授の邪魔をしないこと!」と
4人兄弟に釘をさしていったので、よっぽど偏屈じじいかと思いきや
なんかすっとぼけた人の良さそうな教授じゃないっすか。
ほんでもって、自身もナルニア王国に行ったようなことをほのめかしちゃったりして。
すわっ、物語の鍵を握っているのは、このおっさんかよ?と
思わせておきながら、何事もなく終わっちゃったよ。
あれー?
なんなのよ、おっさん。さんざん気を持たせておきながら!
もしかして、シリーズにず〜っと出るつもり???


な〜んてことで、子供たちが主人公なのに、なぜかこの映画を観てると
どうしもおっさんたちに目が行ってしまう。


私の目を釘付けにしたもう一人のおっさんは、アズラン。
はい、ライオンです。多分、おっさんです。
もうさ、行動パターンが寅さんと一緒なの。
フラっとやって(帰って)きて、一騒動あって、丸く収まって
そして去っていく。
寅さんと違うところは、アズランは実力者だってこと。
さっさか、4人組に王冠を譲っちゃったのは、放浪するためなんだよねぇ〜。
元国王なんだもん。格が違うっつーもんよ。
おまけにやることなすことかっこいい。
もー惚れましたよ、私は。


ほんでもって、動物たちも素敵なんだ。
ビーバー夫婦も素敵だし、狡猾な狐がまた…。
狐に声をあてていたのが、あのルパート・エヴェレットだってんだから
笑っちゃう。
あの慇懃無礼のインチキ臭さは彼の演技だったのね。(笑)


で、やっと、お子様に話が移るんだけど。


とにかく、末っ子のなんとかちゃんがスゴい。
子供らしいのに、なぜか、こんなおばはん余裕でいるよって表情連発なんだよねー。(笑)
とにかく子供らしい純真さを発揮して、「すべての人間は敵」ってことになってる
ナルニア国にズカズカ入っていっちゃう。
観てる側は「ちょっとくらい警戒しろよ」って思っちゃうんだけど、
そんなのどこ吹く風よ。
で、上半身が人間で下半身が山羊(だよね?)のフォーンにバッタリ出会っちゃう。


このフォーン君が、なんだか怪しい。(笑)
めちゃくちゃ怪しい!!
最初は思いがけず出会ってしまった人間にめちゃくちゃ警戒しておびえてたくせに
段々、彼女を見る目が怪しくなっていくーーーー。
で、あげくの果てに薬で眠らせちゃうわけよ。


ひーーーー、もしや、幼児虐待映画か??


と、思ったけど、幼児虐待わいせつ映画にはならずに一安心。


でも、このフォーン役の彼は今後、「殺したくないのに、僕は人を殺してしまうんです。
助けてくださいぃぃぃぃぃぃ
」とか言いながらFBIに駆け込む猟奇殺人鬼の役とかやったら
めちゃくちゃ真にせまってていいんじゃないだろうか? (←超余計なお世話)
それくらい、親しみやすいんだけど、怪しいっつー演技が光る、光る。(笑)


さて、おおとりは、やはりこの人でしょう。
「白の魔女」=ティルダ・スウィントン
コンスタンティン』で、天使のくせにキアヌ・リーブスを踏んづけていぢめてた
あの人です。
もー、素敵すぎます。強すぎます。
二刀流でバッサバッサと敵をなぎ倒していく雄々しさと
か弱い子供を怒鳴り倒すそのギャップが笑えます。
っつーか、あんた、怯える子供にそこまでしなくても……。(笑)
ちょっと頼りない部下が、『チャーリーとチョコレート工場』の
ウンパルンパさんだったのがこれまたユーモラスな味を添えてます。


今回、ティルダ・スィントンがいぢめぬく兄弟の3番目ってのが、
唐沢寿明似のふてぶてしいガキんちょで、
決断力がないくせに優等生のにーちゃん(長男・1番目)と、
理論武装ばかりする分からず屋のねーちゃん(長女・2番目)に
はむかうことはむかうこと。
しかも、お菓子のために兄弟を売って、魔女に協力したってんだから、
出会う前に裏切られちゃったアズランはさぞかし頭が痛かっただろうなぁ〜と
思っていたら、誰も聞いていないところでちゃっかしこの次男坊を説教してましたな。(笑)


まー、色々ありましたが、丸く収まってよかったよかった。
それにしても気になるのは、最後に末っ子ちゃんの手に自分の手を重ねるフォーン君の
目付きだよなー。
こいつ、絶対、末っ子ちゃんを手篭めにしようと思ってんじゃないのー?
と思ってしまう私は……。
いや、これはファンタジーなのよね。そんなこと、許されるはずないわーーー!!